ハーレーの三拍子と呼ばれるエンジン音
アメリカ発の高級バイクとして高い人気を誇るハーレーダビッドソンですが、その特徴的なエンジン音でも知られています。
そのエンジン音とは、アイドリング時にハーレーのVツインエンジンから発せられる独特のテンポの音のことで、ハーレーに詳しい人の間では三拍子と呼ばれています。なお、この音は本場のアメリカでは、「ポテト、ポテト、ポテト」と聞こえるそうで、ポテトサウンドと呼ばれているようです。
実は、この三拍子は時代とともに少しずつ違ってきています。初期のハーレーは、ショベルヘッドエンジンを採用しており、これが三拍子を奏でていたのです。しかしながら、その後、エンジンの型が変わると次第に三拍子の音が出にくくなる時代が到来します。
具体的には、ショベルヘッドエンジンからエボリューションエンジンに変わった時がその時代の始まりで、ファンの間では第一次三拍子ショックとも言われています。しかし、音にこだわるファンたちは、モジュール・セッティングをすることでエボリューションエンジンでもしっかりと三拍子を出せるようにしていたのでした。
第一次に続く第二次三拍子ショックが発生したのが、ツインカム88エンジンが登場したときです。エボリューションエンジンよりも構造的にさらに三拍子を出すことが困難になったため、ファンにとってはモジュールとキャブを使って何とかそれらしい音を出そうと悪戦苦闘した時代となっています。
その後、インジェクションの登場時に第三次、ミルウォーキーエイトエンジンの登場時に第四次の三拍子ショックがそれぞれ発生しています。
いずれの場合も、インジェクションのチューニングやカムの交換によって、三拍子を出すことができるようになっていました。